受取時間帯の受付上限は、2つの数字のうち小さいほうです。その時間帯までに準備できる注文数と、その時間帯内にお渡しできる件数です。 両方を計算して小さいほうを取り、余裕分として約20%差し引きます。そのうえで、お客様の来店のしかたに合った時間帯の長さを選び、リードタイムと当日の締め時間を設定し、上限がページ上でグレーアウトするだけでなく、チェックアウトでも検証されるようにします。Shopify ネイティブの店舗受取は、このどれにも対応していません。日付も、時間帯も、上限もないので、以下の判断にはすべて受取予約アプリが必要です。
この記事は時間帯の 設計 についてです。設定手順そのものは Shopify の店舗受取を予約制にするガイド をご覧ください。
Shopify ネイティブの店舗受取でできること
| Shopify の店舗受取 | 受取予約アプリを使った場合 | |
|---|---|---|
| 選んだロケーションでの受取 | はい | はい |
| お客様が受取日を選ぶ | いいえ | はい |
| お客様が時間帯を選ぶ | いいえ | はい |
| 時間帯ごとの受取件数の上限 | いいえ | はい |
| 営業時間に基づく準備時間 | いいえ(固定の「通常◯時間以内に準備完了」メッセージ) | リードタイム、締め時間、時間帯の構成 |
| ロケーションごとの休業日 | いいえ | はい |
ネイティブの店舗受取は、設定 → 配送と配達 → 店舗受取 でロケーションごとに有効にします。チェックアウトの受取方法を担うので、オンのままにしておきましょう。スケジュールはアプリがその上に追加します。
4つの判断
1. 時間帯の長さ
時間帯の長さは、あなたの都合ではなく、お客様の来店のしかたで決まります。お客様がどれくらい時間どおりに来るかを考えましょう。
- 15分 — 温かい料理やコーヒー。待たせると冷めてしまうもの。
- 30〜60分 — ベーカリー、デリ、精肉店。注文を事前に準備しておき、お客様がほぼ時間どおりに来るもの。
- 2時間 — 花屋、酒販店、一般小売。注文を棚に置いておいても問題なく、お客様が1日の予定に合わせて受け取りに来るもの。
時間帯が短いほど行列は均等に分散しますが、お客様が時間どおりに来るのは難しくなります。ある時間帯で受取の半分がいつも遅れて来るなら、その時間帯は短すぎます。
2. 1枠あたりの受取件数
1つの時間帯について2つの数字を出し、小さいほうを採用します。
準備能力 は、時間帯の開始までに準備できる注文数です。キッチンなら時間帯あたりの伝票数、ベーカリーなら朝の焼成と箱詰めでその時刻までに用意できる注文数、小売の支店なら1人が事前にピッキングして袋詰めできる注文数です。
お渡し能力 は、その時間帯にカウンターで対応できるお客様の数です。
時間帯の分数 ÷ 1件あたりのお渡し時間(分)× カウンターのスタッフ数 × 0.8
0.8 は、確認メールが見つからないお客様や、ついでにコーヒーを追加するお客様の分です。前払いで準備済みの注文なら、お渡しは1件あたり約1〜2分です。お酒の年齢確認、受取時の支払い、お渡し前にお客様と一緒にケーキを確認する場合は、1〜2分を追加しましょう。
計算例。 あるベーカリーが土曜の午前に30分枠を運用し、カウンターにはスタッフが1人います。ケーキを1つずつ開けて確認するため、お渡しには約2.5分かかります。お渡し能力は 30 ÷ 2.5 × 1 × 0.8 = 9.6 です。チームは30分あたり14件の注文を箱詰めできます。小さいほうが優先なので、上限は 9 です。カウンターのスタッフを2人にするとお渡し能力は19に上がり、今度は箱詰めがボトルネックになって、上限は 14 になります。
3. リードタイム
リードタイムは、注文から、提供する最短の受取日までの間隔です。作れない注文を約束しないためにあります。
- 当日(0日) — 在庫から販売するもの、注文を受けてから調理するもの。
- 1日 — 前日の夕方に仕込むベーカリーやデリ。
- 2日以上 — カスタム品や受注生産品。ストア全体ではなく商品ごとに設定します。
4. 当日の締め時間
締め時間は、それを過ぎるとカレンダーから「本日」が消える時刻です。「14:00までのご注文で当日受取」なら、14:05の注文の最短受取日は翌日になります。締め時間は最後の時間帯から逆算して決めます。最後の時間帯が17:00〜18:00で、注文の準備に2時間かかるなら、締め時間は15:00より遅くできません。
これが、Shopify ネイティブの準備時間メッセージの問題に対する解決策です。ネイティブのメッセージはあなたのお店が18:00に閉まることを知らないため、17:30の注文にも「2時間で準備完了」と表示されてしまいます。締め時間と時間帯を組み合わせれば、営業していてスタッフがいる時間だけを提示できます。
業種別の目安
以下は 調整前提の出発点 であり、ベンチマークではありません。2週間運用してから、どの時間帯が埋まったか、行列がどれくらいの長さになったかを確認しましょう。
| 業種 | 時間帯の長さ | 1枠あたりの受取件数 | リードタイム | 当日の締め時間 |
|---|---|---|---|---|
| カフェ・テイクアウト | 15分 | 4〜6件(キッチンがボトルネック) | 当日 | 最後の時間帯の60〜90分前 |
| ベーカリー(予約注文) | 30〜60分 | 8〜12件 | 1日(カスタムケーキは2〜5日) | 前日の14:00〜16:00 |
| 精肉店・デリ・食料品店 | 60分 | 10〜15件 | 当日または1日 | 12:00〜14:00 |
| 花屋 | 2時間 | 6〜10件 | 当日(アレンジメントは1日) | 11:00〜13:00 |
| ワイン・酒販店 | 2時間 | 10〜20件(年齢確認でお渡しが遅くなる) | 当日 | 15:00〜16:00 |
| 複数ロケーションの小売 | 2時間、または日付のみ | 支店ごと | 当日または1日 | 支店ごとに異なる |
ロケーションが複数なら、スケジュールも複数必要
ストア全体で1つのスケジュールにすると、いちばん小さな支店がオーバーブッキングになります。旗艦店は1枠12件、住宅街の小さな店は4件しか受けられない場合、共通の上限を12にすれば小さな店がパンクし、4にすれば旗艦店の能力が無駄になります。
ロケーションごとに個別に設計しましょう。OrderRules では、各受取ロケーションが受取曜日、リードタイム、締め時間、予約可能期間、時間帯テンプレート、休業日をそれぞれ持ちます。受付上限は時間帯テンプレートで決まるので、小さな支店には上限の低いテンプレートを割り当てます。お客様はまずロケーションを選び、そのロケーションの時間帯を見ることになります。
繁忙日と祝日
母の日、バレンタインデー、クリスマスイブ、連休前の土曜日は、通常の設計が通用しません。次の3つの方法で備えましょう。
- 人手が足りない日は休業日にする。 埋まるに任せるのではなく、閉じてしまいます。
- 時間帯だけでなく商品に上限を設ける。 繁忙日の制約がケーキやアレンジメントを作れる数なら、商品の1日あたり上限が適切な手段です。OrderRules では、商品の1日あたり上限を、注文が入った日ではなく お客様が選んだ受取日または配送日でカウント できます。たとえば2月14日分の花束を、すべての時間帯と両方のフルフィルメント方法を合わせて40個までに制限できます。これが重要な理由は 注文日 vs 配送日 をご覧ください。
- カレンダーを早めに開ける。 繁忙日の数週間前に予約可能期間を延ばせば、需要が最後の3日間に集中せず分散します。
知っておきたい制限が1つあります。OrderRules では、時間帯の受付上限はすべての日付で同じ数です。2月14日だけ普通の火曜日より大きな上限を設定することはできないので、時間帯は通常の日に合わせて設計し、繁忙日には商品の上限と休業日で対応しましょう。
上限をチェックアウトで守るべき理由
商品ページやカートページの時間帯指定は、満枠の時間帯をブラウザ上でグレーアウトします。これは表示であって、制限ではありません。Shop Pay、Apple Pay、「今すぐ購入」ボタンは、カレンダーが置かれたページを経由せずにお客様をチェックアウトへ進ませることがあり、「残り1件」の同じ時間帯を見ている2人のお客様が、両方ともカートに追加することもあります。
上限が守られるのは、注文確定時に改めて検証される場合だけです。Shopify でそれを担うのが、どのプランでも使える チェックアウトのバリデーション Function です。OrderRules はこれを使っており、満枠の時間帯、休業日、リードタイムより前の時間帯は、エクスプレスチェックアウトを含めチェックアウトでブロックされます。注文をキャンセルすると、その時間帯の枠は解放されます。
正直に書いておくべき注意点があります。この検証は時間帯をロックするのではなく、予約状況のスナップショットを読むため、ある時間帯の最後の1枠に同じ秒で2件のチェックアウトが完了すると、両方とも通ることがあります。まれなケースで、上限に余裕を持たせておけば吸収できます。
予約した時間帯をカウンターに届ける
予約は、注文を準備するスタッフに見えてこそ機能します。アプリが日付・時間帯・ロケーションを、アプリ独自のダッシュボードだけでなく注文そのものに保存するか確認しましょう。OrderRules はこれらを Shopify 管理画面の注文属性に書き込みます。注文タグ付け をオンにすると、注文に pickup:YYYY-MM-DD と slot: のタグも付くので、各支店が Shopify の注文検索で今日の受取分に絞り込み、時間帯順に準備できます。
Shopify 標準の納品書には注文属性が印刷されません。印刷した納品書で梱包している場合は、納品書テンプレートに受取の項目を追加してください。
アプリ選びで確認すべきこと
時間帯ごとの上限、締め時間、複数ロケーションは、今やどの受取アプリでも標準的な機能です。違いは細部にあります。
- 時間帯はチェックアウトで検証されるのか、ページ上でグレーアウトされるだけか? Shop Pay と「今すぐ購入」ボタンについて具体的に確認しましょう。
- 受付上限は注文数で数えるのか、商品点数で数えるのか? 上限を注文数で数える場合、クロワッサン1個の注文も40個の注文も同じ1件です。
- ロケーションごとに曜日・締め時間・上限を設定できるか?
- 時間帯の上限はどのプランに含まれるか? たとえば Zapiet では、時間帯ごとの上限は $49.99 のエントリープランではなく、$79.99 の Advanced プランからです。OrderRules では月額 $19.99 の Advanced プランに含まれます。
- 予約内容はどこに記録されるか? Shopify の注文、タグ、納品書のどれか。
- Shopify Plus が必要か? 必要なのは、日時指定をチェックアウトページ自体に置く場合だけです。
詳しい比較は OrderRules vs Zapiet、OrderRules vs Pickeasy、そして多くが店舗受取にも対応している Shopify 配送日時指定アプリのおすすめ をご覧ください。
OrderRules での受取時間帯の扱い
- 受取日時指定 — ロケーション選択付きで商品ページとカートページに表示。Shopify Plus ならチェックアウトページにも。
- ロケーションごとのスケジュール — 受取曜日、日数単位のリードタイム、1日の締め時間、予約可能期間、時間帯テンプレート、休業日。
- 時間帯の受付上限 — 1日あたり時間帯ごとの注文数で数え、Shopify Function がチェックアウトで検証。ロケーション単位の1日全体の上限はないため、1日の上限が必要なロケーションには時間帯を設定します。
- 受取日または配送日でカウントする商品の1日あたり上限 — 生産数に限りがある商品向け。
- 予約内容を注文に保存 — 準備リスト用のタグ付けもオプションで可能。
できないこと:時間帯の上限を商品点数で数えること、特定の日付だけ上限を変えること、受取のリマインダーを送ること、POS を置き換えること。Shopify Plus ではないストアでは、チェックアウトで選ばれた配送方法が、日時指定で選ばれた店舗受取と一致しているかを OrderRules は確認できません。
Advanced プラン(月額 $19.99)で利用でき、14日間の無料トライアルがあり、Shopify Plus は不要です。店舗受取の予約機能ページ をご覧いただくか、店舗受取のドキュメント で設定してください。
無料トライアルを始める — 受取ロケーションを追加し、上の表を参考に時間帯を設計して、2週間の実際の予約をもとに調整しましょう。